成人式の着物、嫁入りに作ってもらった着物など、どうされていますか?
私の40年前の成人式の着物、母が嫁入りに持たせてくれた数々の着物、母が着ていた着物。
それらは和ダンスの中で眠っていました。
私はそれらをアップサイクルをして着物をドレスに作り変えました。
なかなか出番のない着物
たとう紙(着物を収納する専用の包み紙)を開けて、その柄の美しさにうっとりするものの、
一人で着れない難しさ、着ていく場所を選ぶと、またそっと閉じてしまう。
そんな事を繰り返し、40年も経ってしまいました。
アップサイクルで着物を現代ドレスへ 京都「季縁」さん
ある時、夕方のテレビで「アップサイクルで着物を現代ドレスへ」と京都のお店のの紹介がありました。
日本の美意識を詰め込んだ着物文化
絹の手触りと繊細な刺繍、鮮やかな色彩の着物たち。
いつの間にか着物を着る機会も減り、それらを手に取る機会も減ってきました。
豪華絢爛の日本の着物文化、それが今、行き場を無くし、
京都の呉服屋さんも在庫を抱え、倉庫には着物が段ボールに入って積み上げられている映像が映し出されました。
番組で紹介されていたお店は京都の「季縁」というお店でした。
私はすぐにメモを取り、調べました。
季縁さんは
使われなくなった着物を現代に合わせたドレスやワンピースににアップサイクルする会社です。
ここにお願いしてドレスを作りたい。
なんて素敵なドレスなんだろう。
これだったら、着付けもいらない、すぐに着れる。
海外にだって持っていける。
そう思い、すぐに連絡をし、京都二条城近くのお店へ何点かの着物を持ち込みました。
まだ雪の残る京都の街に、そのお店はありました。
私の持ち込んだ着物を1点ずつ見ていただき、この時代に作られた着物はとても貴重な技術が使われている日本の着物です。
保管状態もとてもよく、きれいな着物ですねと言っていただきました。
そして、まだ着物としてこれからも使えるもの、ドレスにした方がいいものと分けていただきました。
思い出の着物
- 成人式の振袖
私の成人式の振袖は水色から紺へのグラデーションとゴージャスな刺繍が施されているもので、母が作ってくれました。
成人式、卒業式、謝恩会などでこの振袖を着た思い出があります。
でも24歳で結婚した時に、既婚者は振袖をもう着ないということで、中振袖に仕立て直しをしました。
でもそれから35年間一度も手を通したことはありません。
これを着ていく機会がなかったのです。
これをカシュクールドレスにして、パーティや船上でのディナーに着れたらいいなと思いました。
(全然そんな予定はないですが、ぜひ予定を作りたいと思います)
- 訪問着
母が嫁入りに作ってくれた訪問着
20代の頃に来ていました。
仲人さんへの挨拶や、お正月。
お祝い事などの行事など。
桜色のこの訪問着は、着ると背筋もピンとなり、ミセスの私を手助けしてくれました。
年がたつにつれ、だんだんとこの色が合わないのではと思うようになったのです。
もう少し落ち着いた色に染め直しをしようかと何度も思いました。
- 母の色留め
母の色留袖です。
私の2回目の結婚式の時に着ていました。
もう、遺品となったこの着物を私も着たいと思いました。
ちょうど、4月に京都で姪の結婚式があり、その時にこの着物で母と一緒に出席したいと思いました。
こちらはラグランタイプのドレスに仕立ててもらいました。
丁寧な工程を作られる着物ドレス
着物はもともと反物からできています。
着物をワンピースにするにはいったん、反物に戻す作業があります
- 着物の糸をほどき、すべてのパーツを1枚の生地に縫い合わせる
- 丁寧に洗う(洗い張り)
- 12mにもなる生地をしわを伸ばしながら自然乾燥させる
- 蒸気を当て、湯のしで仕上げる
- 反物の完成
- 型紙を使って裁断
- 一つ一つの柄が合うように丁寧に縫い合わせてワンピースの完成
ついに完成 私のドレスとワンピース
2か月たって、3枚とも完成しました。
送られてきた桐の箱をあけたとたん、「わぁー!!」と声がでました。
どれも思い出が詰まった着物がこんなに素敵に変わるなんて。
絹(シルク)の光沢と滑らかな肌触り。
そして軽くて、吸湿性、放湿性もあり、なにより脱ぎ着がしやすいのです。
上品なドレスに仕上がりとても満足です。
桜の京都の季節に、姪の結婚式に着ていきました。
4月1日(土)
京都では桜がちょうど満開でした。
庭園で上げた結婚式に私も母の形見の着物ドレスを着ました。
桜色のワンピースも着ていきました。
生まれ変わった着物ドレス
母も喜んでくれていると思います。
Hawaiiを旅するセラピスト 谷口ひとみ
今、家族の方が病気の方へ少しでもお役に立てたなら。
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